お寿司屋さん(といっても回転寿司ですが)に行くと、かならずハマチが食べたくなるJackです。マグロの赤身ももちろん好きですが、適度に脂の乗った青物系の魚が大好きです。
今回は青物系の魚が狙える「ショアジギング」という海釣りについて、少しお話をさせていただきます。
夏のショアジギングについて
イントロダクション
夏(7~8月頃)になると、大きな潮の流れ(今回の例では黒潮)に乗った小型回遊魚(「シオ」と呼ばれるカンパチの子供や、「ツバス」と呼ばれるブリの子供などで、釣り人達が言うところの「青物系の魚」の子供)が岸から狙えるようになります。
明日辺りにさっそく熊野・七里御浜海岸へ繰り出そうかと思っていたのですが、太平洋上には台風13号の姿が…そしてお師匠様からは「太平洋上に台風がある時には、七里御浜海岸は波が高くて危険だから釣りは無理」とのご指南をいただき、仕方なく?釣行の代わりにこの記事を書き始めた次第です。
「ショアジギング」とは?
ショアジギングとは、岸から「メタルジグ」と呼ばれる全金属製のルアーを投げて、いわゆる「青物系」の肉食魚を狙う海釣りのことを言います。
使用する「メタルジグ」は、こんな感じのルアーです。
先日ご紹介した「バイスライダー」というルアーもメタルジグの一種なのですが、「バイスライダー」が7~10グラムの重さのルアーであるのに対して、ショアジギングで使用するメタルジグは軽めのもので28グラムから、一番重いものだと100グラムの重さになります。
写真のようなメタルジグを海に向かって遠投して、ある時は一定のスピードであったりスピードに強弱をつけてリールを巻いたり、ある時は数回竿をあおってメタルジグを海中でひらめかせながらリールを巻いた後、ルアーの重さでスーッと海底まで沈めてみたりという釣り方をします。
基本的にはキラキラ光るルアーが多いですが、この輝きが海中を逃げ惑う小魚のように見えるという訳です。ちなみに、写真下段の真ん中および一番右のシルバーのメタルジグには夜光塗料のラインが入っていますが、この夜光塗料が海底付近で光を放つことによって、動くメタルジグを周囲の魚にアピールする効果もあります。
アジやメバルなどを狙うルアー釣りに比べると、使用するルアーには重いものが多いため、使用するロッドやリールも、それに合わせてかなり大きなサイズになります。
こちらの写真が、僕がショアジギングで使用しているロッド「シマノ・コルトスナイパーBB 1000M」です。以前ご紹介した「シマノ・ルアーマチック」シリーズに比べると、長さも太さもかなり違います。
とは言っても、このロッドでもショアジギングの中では使用可能なルアーの重さがMAX60グラムとなっており、ショアジギングの中でも「ライトショアジギング」と呼ばれるカテゴリー用のものとなっています。
このロッドに合わせて使うリールも、いつもよりもサイズが大きくなります…こちらが僕の使用している「シマノ・サハラ4000XG」です。
ちなみに、いつも使用しているリールのサイズは2000~2500番台です。
メバルやアジをルアー釣りで狙う時のリールでは、スプールには0.6~0.8号ぐらいのライン(道糸)を巻いていますが、このリールにはラインがPE1.5号、リーダー(道糸の先につけるラインのことで、海中でのルアーの動きを良くしたり、歯の鋭い魚が釣れた時にラインを噛みちぎられないようにするためのものと思ってください。ナイロンラインまたはフロロカーボンラインを使います。)は5号と、より強く耐久性に優れたものを使用します。
どんな魚が釣れるのか
この記事を書いている時期(8月初め)であれば、先に述べたような「シオ」や「ツバス」がメインターゲットになりますが、秋から冬にかけてであればこれらの親である「カンパチ」や「ブリ」がターゲットの中に入ってきます。
こんな大きな魚が釣れたら、嫌でもテンションが上がること間違いなしです。
その他、サワラやシイラ、シーバス(マルスズキやヒラスズキ)、タチウオ、大きめのアジやサバ、カサゴやハタ類(アオハタやキジハタ、アカハタ、オオモンハタなど)といった辺りの魚達がターゲットとなります。結構幅広い魚種が狙えますね。
これらの魚達のうちで特に青物系の魚については「朝マズメから夕マズメまでの間(太陽が昇り、沈むまでの間)の釣り」になります…青物系の魚は、基本的に夜間はエサを追いかけないそうです。
それ以外の魚種については、夜釣りのショアジギングで釣れるのかどうか試してみたことがないので分かりません…ただ、カサゴやハタ類を狙うのであれば、ルアーのサイズや重量をもう少し落として、シーバス用のロッドやリールを使用した更にライトなジギングへと切り替える方が良いでしょう。
どんな場所で釣りをするのか
釣れる魚の種類と同じく、ショアジギングが出来る釣り場も結構多彩です。
砂浜や砂利浜(ちなみに七里御浜海岸は砂利浜です。)などのサーフはもちろんのこと、外海に面した堤防であったり、磯場からでもショアジギングを楽しむことが出来ます。
すべての釣り場において共通しているのは「広い外海に面した釣り場」という点でしょうか…例えば漁港の内側など、狭く限られたスペース内での釣りにはあまり当てはまらないですね。
まあ、広い海を泳ぎまわりながらエサを探している回遊魚がメインターゲットになるので、当然と言えば当然かも知れません。
ズバリ、初心者に向いた釣りなのか?
この点については…どなたか経験者の方に連れて行ってもらえるという条件付きであれば、いきなりショアジギングにチャレンジしても楽しめると思います。
初心者の方がショアジギングにチャレンジする際に障害となるのは、主に次の二点であると思われます。
必要となる釣り道具(ロッドやリールなど)が専門的なものになる
先にもご紹介したように、「ライト」ショアジギングでも専用のロッドやリールがあった方が便利な釣りです…シーバス用のロッドとリールを流用し、軽めのメタルジグ(シーバス用ロッドの一般的なスペックから考えると、おおむね28グラムまで)を使用することで対応も可能ですが、少し良いサイズの青物がヒットすると釣り上げるまでが大変です。
僕が専用のロッドとリールを揃えたのも、実のところは「魚の引きにロッドとリールが耐え切れず、なかなか釣り上げられずにいたところで針が外れてしまい非常に悔しい思いをしたから」です。(苦笑)
とはいえ、ショアジギング用の釣り道具は、初心者がいきなり揃えるにはなかなかハードルが高い(入門用の道具でもそれなりにコストがかかる、他の釣りへの転用が微妙など)ので、まずは経験者から道具を借りながらチャレンジするのが望ましいと考えます。
釣り場が天候次第で、非常に危険な場所になる
ターゲットとなる魚達が外海を泳いでいる以上、大きな潮の流れに面した場所(堤防やサーフ、磯場など)になりますが、このような場所は天候の影響を受けやすい場合が多く、この記事を書いてる時点のように「日本に台風が接近してきているだけで、場所によっては結構な高波の影響を受ける」こととなります。
今回の僕の事例がまさにそうなのですが、経験豊かな釣り人(お師匠様)からのアドバイスがあればまだ大丈夫ですが、そのような人からのサポートがない場合、初心者単独では「天候」と「身の安全の確保」のバランスを取るための見極めが難しくなりがちです。
実際、この記事を書いている時点での翌日早朝の七里御浜海岸周辺の天気予報では、風も比較的弱く波の高さも1.5メートルと「それほど危険な状況ではない」と思いたくなっています…しかし、海千山千のお師匠様が「危険だから無理」というのですから、遠路はるばる釣り場に向かったところで波が高くて釣りにならないか、あるいはパッと見た目にはそれほどの波はないものの、突発的な高波に襲われる危険性もゼロとは言えません。
三重県熊野市では毎年8月17日に、日本三大花火大会の一つである「熊野大花火大会」が開催されますが、「鬼ヶ城」と呼ばれる海に面した岩山周辺で開催されるこの花火大会が中止になる理由で一番多いのが「高波」なのだそうで、それぐらいに七里御浜海岸は風波の影響を受けやすく、危険度も高い釣り場であると言えます。
他の地域の異なる釣り場であっても、くれぐれも身の安全に対する配慮を怠らないよう注意してください。
まとめ
最後の方でややネガティブな話題に触れることになってしまいましたが、よく子供が言うような「海でマグロが釣りたい!!」ではありませんが、ショアジギングであれば比較的大きめの魚を岸から狙うことが出来るので、経験者のサポートを受けた中であれば楽しめる海釣りであると言えます。
あるいは、他の釣り方で海釣りや海そのものについてある程度の知識や経験を身につけた後に「大きな魚を釣ってみたい」と思った時などにも、なかなか良い釣りであると思います。
いずれにせよ、大きな魚(=海を泳ぐ力が強い魚)が狙える分だけ、釣り場の危険性も上がってくるとも言えるので、出来れば経験者のサポートを受けた中で、複数人でチャレンジすると良い釣りです。
お互いにくれぐれも身の安全を確保しながら、海釣りを楽しみましょう。次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。