連日の暑さがここ数日で急に和らぎ、「いきなり秋か?」と戸惑っているJackです。皆さん、風邪などひかれないようご注意下さいね。
今回のお話は、釣り大会のオフィシャルスタッフの視点から分かった「釣りが上手な人の特徴」についてです。今回の釣り大会は海釣りではないのですが、大いに参考になるところがあったのでご紹介いたします。
釣りが上手な人は、実はこんなことをしています
鮎釣り大会のオフィシャルスタッフに参加しました
今回、ひょんなことから実家のある地域の、鮎釣り大会のオフィシャルスタッフのお手伝いをすることになりました。
朝の6時から、鮎釣り大会の本部へ集合しました…今日もあちらこちらから、腕自慢の釣り人達が集まりました。
今回の釣り大会は一回戦と二回戦(決勝)の二回が開催され、一回戦の会場はこの本部から少し離れた場所となっていたので、競技参加者よりも先に会場へ移動しました。
この鮎釣り大会のオフィシャルスタッフのお手伝いは二度目なのですが、河原に来るのはもう何年振りでしょうか…台風で大雨が降ったことなどもあって、周辺は思っていたよりもずっと綺麗でした。
一回戦の会場へ到着後、指定された持ち場の河原へと徒歩で移動しました。
こんな感じで、監視員としての準備もオッケーとなりました。こういう時にはアウトドア用の折り畳み式チェアがあると、大変便利です。
そんなこんなをしているうちに、7時30分頃から実釣開始となりました。
監視員としての役割とは?
今回は釣り大会の現場監視員としてのお手伝いでした。その際に求められる役割は、おおむね次の通りです。
釣り大会参加者の安全確保
まず一番大事な役割は、釣り大会に参加されている選手の皆さんの安全確保です。参加される方々は川での釣りに慣れた方ばかりですが、やはり万が一の事故や怪我が発生するケースも考えられます。
そのような時に、大会本部と連絡を取りつつ速やかに選手を救助することが重要となってきます。
選手による不正行為の監視・抑止
基本的にあってはならないことなのですが、競技としての釣り大会を主催する以上は、選手による不正行為を監視しなければなりません。
さて、「他の魚の釣り大会」と「鮎釣り大会」の大きな違いとしては、ある意味において不正行為を行いやすいことが挙げられます。
と言いますのも、「鮎の友釣り」は縄張り意識が強い鮎の性質を利用した釣り方で、竿から伸びる糸の先にひっかけ針をつけた「オトリ鮎」をつないで川に放ち、岩場の周囲などにいる鮎の側へとオトリ鮎を泳がせることで、自分の縄張りの中に入ってきたオトリ鮎を追い出そうと体当たりしてきた鮎をひっかけ針で釣るものです。
このオトリ鮎、そのシーズンの一番最初はお金を払って釣具屋さんや川縁の販売所などで買うのですが、たくさん鮎が釣れた時には次回に釣りに来た時のために、「友カン」と呼ばれる川に沈めて置ける鮎を入れておくための専用ケースに入れておいて、次回釣りに来た時のオトリ鮎として使用することができます。
つまり、鮎釣り大会において一番手っ取り早い不正行為は「前日までに鮎をたくさん釣っておいて友カンに入れ、釣り大会の会場となる川の目立たない場所に沈めておく」ことなのです。
釣り大会のエリアとなる河原は結構広く、周囲には竹藪なども生い茂って見通しが効かないエリアもあるため、一定間隔に監視員を置くことによってこのような不正行為を監視・抑止することが重要となります。
では、実際の監視員の仕事は…?
身も蓋もありませんが、基本的には河原にいて「ちゃんと貴方たちを監視していますよ」というアピールを選手の皆さんに向けることでしょう。(笑)
大会時間中にずっと選手たちを凝視しているというのは、見る方も疲れますし、見られる方もきっと嫌だと思います。
もちろん先に述べた本来業務をきちんとこなすことは言うまでもありませんが、たまには違うところにも目を向けてみたりして。
こんなに間近でトンボを見るのも、久しぶりです。
監視員をしていて見えてきたもの
とは言うものの、実際に監視員として選手の皆さんを見ていると、だんだんと見えてくるものがいくつかありました。
今年は「鮎がなかなか釣れない」と聞いていた中で、今日の釣り大会の釣果もかなり厳しい模様でしたが、そんな状況下においても鮎を釣る選手を見ていると、他の方々とは異なる特徴がありました。
それは「釣りの仕掛けのチェックをこまめにしていること」でした。
なかなか魚が釣れない他の選手の皆さんは普通に竿を出しているだけだったのですが、とある一人の選手の方だけは、竿を出す何回かに一回は必ず、仕掛けの状態(オトリ鮎についたひっかけ針の様子など)を確認されていました。
行っている行為の内容はとても小さなことですが、特に今回のように全体的に釣果が渋い状況下においては、一匹の魚の取り逃がしが大きな差となってしまうため、このことを意識して出来ているかいないかは、非常に重要なポイントだと見受けられました。海釣りにおいても、この意識を持っているかどうかは釣果に大きく影響してきます。
また、これは鮎の友釣り特有の特徴だったのですが、他の選手の皆さんの竿先はほとんど動かない(魚が釣れていないため、ある意味においては当たり前なのですが)中、その選手の竿先だけは魚が釣れていないにも関わらず、頻繁に竿先が動いていました。
これはどういうことかと言いますと、縄張りを持つ鮎の側に泳がされたオトリ鮎が、体当たりされるのを嫌がってなかなか縄張りの中へ入っていこうとせずに逃げ回っているということです。オトリ鮎のこのような行動(習性)は、鮎釣りが趣味の僕の父から教わったものですが、それだけオトリ鮎の泳がせ方(=ポイントの見極め方)が上手なのだと感じました。
結局のところ、僕が監視していたエリア内ではその選手一人だけしか釣果が無かったのですが、「ちょっとしか釣れんかった」と言うその方に「いやいや、僕の見えている範囲内では一番釣っていましたよ」と先の二点の特徴をお伝えすると、「へへっ」と笑いながら検量へと向かわれました。
まとめ
今回のオフィシャルのお手伝いは一回戦の間限りでしたが、一位の方の釣果は17匹で、二位以下の皆さんの釣果はその半分以下と、非常に渋く極端な釣果となっていました。ボウズ(釣果無し)の方も少なからずお見かけした中で、何とか釣果を引き出す方は、やっぱり「他の人とは違う何らかの工夫」をされているのだと感じました。
釣果の良かった人、悪かった人…悲喜こもごもですね。
まあ、そうは言ってもクジ運(=釣り場に入る順番)が悪いと、どうしようもないことだって多いのですが…ちなみに、他の選手の方は「釣れないって思い込んで釣ってたらアカンのやなぁ…やっぱり”絶対に釣れる”って思い込んで釣らないと、結果は出ないんやなぁ」などともおっしゃられていましたが、少しでも上位に食い込みたいという努力や執念は、非常に大切であるとも感じました。