家族でたのしくフィッシング

主に家族で海釣りを楽しむためのお話をつづるブログです。海釣りに関する様々な情報や、道具のご紹介などを綴っていきます。

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魚は個体ごとに性格が違う!? フィッシングショー大阪でヒロ内藤さんから聞いた深イイ話あれこれ


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 皆さんご無沙汰しています、Jackです。

 

 極寒のこの時期、釣りブログとしては記事のネタに困ってしまうのですが、ようやく皆さんにお届けできる話のネタを手に入れました。

 

 今回はバスフィッシング界の大御所の一人、ヒロ内藤さんにうかがったルアーフィッシングに関するお話です…本当は先に書きたいネタがもう一つあったのですが、折角色々と教わった話を忘れないうちに記事にしておきたかったので、何卒ご容赦ください。あと、色々とあって関連画像の写真を撮り忘れていたのもごめんなさい!!(笑)

 

 

魚は個体ごとに性格が違う!? フィッシングショー大阪でヒロ内藤さんから聞いた深イイ話あれこれ

バス釣りの神様」は、そこにいた!!

  本日(2019年2月2日)から「フィッシングショー大阪2019」が開幕しました。

 二日間の日程で開催されるフィッシングショーで、毎年「ジャパンフィッシングショー」に引き続いての関西地区最大の釣りのイベントです。

 

 実は僕、このフィッシングショー大阪にはこれまで一度も参加したことがなかったのですが、本ブログを立ち上げた都合上、ブログ記事のネタにするため折角の機会なので一度行ってみようと思って、今回インテックス大阪まで足を運んでみました。

 

 で、会場内に入ってうろうろしていると、ルアーメーカー「スミス(SMITH)」のブースを見かけました。

 僕の場合はメバル釣り用のルアーの他、昨年YouTubeで散々動画を見まくったヒロ内藤さんが深くかかわられている「へドン」ブランドのルアーも取り扱っているメーカーだったので、ちょっと覗いてみることにしました。

 

 で、スミスのブースに立ち寄って数秒、どこかで聞きなれた声が聞こえてきました。

 その声の主の方を見てみると、小柄でニコニコとした地味なおじさん(失礼!!)が、お客さんからの質問に凄く丁寧に答えているところを見かけました。

 

 はい、バス釣りの神様の声…じゃなくて、ヒロ内藤さんの話し声でした。

 

 いやー、何ていうのでしょうか…内藤さん、あまりにもひっそりと穏やかにブースの影のほうで立たれていたので、ぶっちゃけお声を聞くまでは全く気が付きませんでした。(笑)

 

ヒロ内藤さんの「深イイ話」あれこれ

 動画の中で何度も見た内藤さんの姿をお見かけし、実は僕もちょっと内藤さんに聞いてみたいことがあったので、目の前で質問されているお客さんの後ろに控えながら内藤さんの立ち話の内容を盗み聞き?していたのですが、その概要はだいたいこんな感じでした。

 

ブラックバスの中だけでも、実際には魚種(確かノーザンスモールマウスバスとフロリダバス)によって賢さの度合いが違っていて、ルアーに対する見切りなどの反応が全く異なる。あるいは、同じ場所に棲む同じ種類のバスでも、個体によって全く性格が異なることも知られている。

 

・目の前にいる大きなバスを釣ろうとしても、そのバスが釣れる可能性は非常に低い。その理由は、こちらから相手が見えているのと同様に、バスからもこちらが見えているためである。

 

・こちらを見ているバスは、こちらの動作(目の前のバスを釣ろうとしてロッドを振りかぶるシルエット)をもきちんと見ていて、その動作の意味すらもちゃんと理解している模様。だから、そういうバスはなかなか釣れない。そしてその傾向は、魚のサイズが大きくなるにつれてさらに強く(賢く)なる。

 

・そこで、目の前の大バスを釣ろうとした内藤さんはフリップキャスト(いわゆる下手投げ)で、キャスティング時の自分のシルエットの動きを極力隠すようにしてみたところ、見事目論見通りにその大バスを釣ることが出来た。

 

アメリカのバスプロ達は、往々にしてその日目の前にいるバスが「釣れる魚かどうか」を、かなり正確に見極めることが出来る。その理由は、彼らが様々な場所で毎日のようにバスと向き合っているが故に「色々な意味で、非常に『バスという魚』を見慣れているから」である。彼らのレベルにまで到達すると、目の前の一匹のバスの今日の調子が、まるで手に取るように分かるのだという。

 

・世界で一番バス釣りが難しい場所は、北関東の湖(確か芦ノ湖って言われていたはず)である。その理由は「水の透明度が非常に高くてバスからアングラーが丸見えな上に、昔から数多くのアングラーに釣り叩かれてきた場所なので、バス達の警戒心が非常に高い。

 

・目の前にいるバスに食い気があるかどうかは、そのバスの「ルアーに対する姿勢」で分かる。人間の目が興味のある対象に向けられるのと同じように、バスも興味の対象に視線を向けるが、バスの目の構造上から人間ほどには「目だけで興味の対象を追う」ことは出来ないので、自然と体全体の動きでルアーを追うようになってくる。

 

・いくら食い気のあるバスでも、お互いに見える距離にいる限りはなかなか釣れない。そんな時はそのバスが自分の側から離れていくまで待って、離れて行った先(バスがいるであろう場所)の更に数メートル先からルアーを引いてきてアクションを見せれば、そのバスがルアーを食ってくる可能性は非常に高い。

 

 頻繁にお客さんが行き来し、場内のアナウンスも結構響いていた中での立ち話(の盗み聞き)だったので、あやふやな部分もちょくちょくありますが、内藤さんはだいたいこんな感じの話をされていました。色々と話の内容が深い&良い!!

 

 で、いよいよ僕の質問の番になった時、盗み聞きの段階で既にだいたいの答えはいただけていたのですが、敢えて内藤さんに聞いてみました。

 

僕が内藤さんに教えてもらった「魚の個性」のお話

Jack「内藤さんのこれまでのセミナーの動画を拝見していると、多くのバス釣りのテクニックが、そのままソルトでのルアーフィッシングにも応用できるのではないかと思いました。非常な極論になってしまいますが、バス釣りとソルトルアーフィッシングの間で、テクニック的に大きな違いはないものと考えても良いのでしょうか?」

 

 内藤さんはさっき「バス同士でも魚種どころか個体によって性格が違う」とおっしゃられていたので、再度の愚問と知りつつ聞いてしまいましたが、内藤さんはニコニコと笑いながら答えてくれました。

 

内藤さん「まず、魚の尾びれの形には大きく分けて二つの種類があるのですが、尾びれが丸い形の魚…根魚などに多いパターンですが、これらの魚は泳ぐスピードがあまり速くなくて、自分から見て遠くにあるルアーを追ってくるということもあまりありません」

 

内藤さん「一方、尾びれが三日月形っぽい形の魚…こちらは青物など回遊魚に多いパターンですが、これらの魚は泳ぐスピードが非常に速く、ルアーに対しても遠くの距離から素早く反応してくることがあります」

 

内藤さん「このように、同じ『海の魚』であってもルアーに対する反応スピードや、ルアーを追ってくる距離が魚種ごとによって異なるので、一概に『このルアーを使う時には、このアクションで釣れる』といったことがあり得ないのはお分かりいただけるかと思います」

 

Jack「なるほど、おっしゃるとおりです」

 

内藤さん「さて、以前姉(宇宙飛行士の向井千秋さん)が宇宙に連れて行く魚の世話を、NASAからの依頼で僕がしていたことがあったんです。無重力状態下における実験用に、約30センチメートルの錦鯉を4リットルの水の中に入れて宇宙に連れて行くためのものでした」

 

内藤さん「で、宇宙に連れて行く錦鯉の候補を30匹ほど選んでNASAに送ったのですが、1匹また1匹と弱っていって僕のところに送り返されてくるので、僕のフロリダの家で150匹ぐらいの錦鯉の選抜基地(池)を作って、そこから次々と交代要員の錦鯉を送っていたんです」

 

内藤さん「ただ、NASAから送り返されてきた錦鯉1匹ごとに、NASAからは『評価書』が添付されていました。1匹目の錦鯉の評価は『閉所恐怖症』でした…たった4リットルの水しか入れられない環境、まあだいたい魚一匹がようやく入るぐらいの筒に入れられて宇宙に送られるというのに、その魚が『閉所恐怖症』というのでは、全然お話になりませんよね?」

 

内藤さん「その次の1匹は『臆病で神経質』で、次の1匹が『愛嬌がある』といった感じでした…たまたまその時に取り扱っていたのが錦鯉で、1匹ごとに全部模様が違っていたので、僕は毎回写真を撮ってからNASAに宇宙へ連れて行くための候補の錦鯉を送りつつ、一方では選抜に耐えられず送り返されてきた錦鯉実際の動きを、添付されてきた評価書と照らし合わせながら自宅の池で観察してみたんです」

 

内藤さん「すると確かにNASAからの評価書の内容は正しく、池に放った錦鯉のうち『臆病で神経質』とされていたものは、僕が池のそばに立つとすぐに岩陰に隠れてしまうし、『愛嬌がある』と評価されたものは逆に僕の方に寄ってきて、手を出すとエサを貰おうとして口でパクパク手をつついて来たりしたんですよ」

 

内藤さん「でも、考えてみてください…目の前の一匹の魚をただ単純に眺めてみて、その魚の性格や考えていることが分かると思いますか?」

 

Jack「…たぶん無理だと思います」

 

内藤さん「ですよね。で、僕も同じように疑問に思って、ある時名古屋大学の教授に聞いてみたんです。『目の前にいる一匹の魚の性格が、どうやって判別できるんですか?』って」

 

内藤さん「その教授の答えは『魚の性格を判別する上で、魚の脳波を測定するという手法が非常に有効であることが分かっている。研究の対象となる魚が取った行動と、その時の魚の脳波のデータを収集し蓄積していくことで、魚の個体ごとの性格を判別することも可能になる』といったものでした。魚の脳波をどうやって測るのかといった話はさておき、ここまでの話からも『魚は魚種ごとどころか、個体ごとに性格が異なることが判明している』のです」

 

内藤さん「だから、特定の魚種の生態や生息環境などから『ある程度の共通項』は見いだせるとしても、同じ場所に棲んでいる同じ魚種の一匹一匹が、みんな性格が異なるのです。それが故に、ある特定のルアーアクションを入れたというだけで、そこにいる同じ魚種の魚が毎回たくさん釣れるという保証などはどこにもないのです」

 

内藤さん「これらのことから、同じ場所の同じ魚種に対してであっても、目の前の一匹を釣るためのルアーアクションのパターンは無数に考えられます。またそこが、ルアーフィッシングの面白さですよね。ルアーフィッシングにおいてはセオリーなどに囚われず、色々なアクションパターンをぜひ試してみて下さい」

 

 …とまあ、内藤さんからはおおむねこのような感じの回答をいただきました。

 かなりの長文(しかも、ほとんど内藤さんのお言葉)になってしまいましたが、これでも随分とおおまかに要約して書いたつもりなんですよ?(苦笑)

 

最後に

 内藤さんと直接お会いしたのは今回が初めてでしたが、今回感じた僕の内藤さんに対する印象は「すごく魚やルアーフィッシングが好きな人」「人に対して非常に温厚、誠実、丁寧な人」でした。

 さかなクンがもっと年齢を重ねられたら、ひょっとしたら内藤さんみたいになるのかな?

 

 なんせ僕の質問を切り口にして、上記の内容のお話を15分ぐらい延々と答え続けてくれたんですよ…それも、僕の前の質問者さんへの対応でも20分ぐらい喋り続けたすぐ後で。

 内藤さん、どれだけ魚とルアーフィッシングが好きなんですか!? 誰かがどこかで止めないと、延々ずっとお話をし続けてくれる雰囲気でしたよ!?(笑)

 

 しかもまた、内藤さんのお話を聞き続けているのが、もの凄く心地良いんですよね。

 僕の後ろにも他の質問者さんが並んでくれていましたが、いつの間にやらその人達も交えて、ずーっと僕の質問の回答をし続けてもらって…でも、そのお話を聞いているのが全然苦痛じゃないんですよ。

 むしろお酒の席とかだったら、朝までずっと内藤さんの独壇場を聞いていても平気なぐらい。いや、ぜひ聞いてみたい!!

 

 …いやまあ、僕の後ろで順番を待っていて下さった方々は、ひょっとしたらそうではなかったのかも知れませんが。長時間内藤さんを拘束してしまって、大変申し訳ありませんでした。(汗)

 

 あと、同じく日本のバスフィッシング界の大御所の一人としては、村田基さんが挙げられると思いますが、直接お会いした時の村田さんの印象は「知的で簡潔明瞭、理路整然」「『立て板に水』のような見事な喋り」といった感じでした。

 また、僕の村田さんに対する第一印象は、実のところYouTubeやビデオなどでお見受けした限りでは「良くも悪くも、随分癖のある方」だったのですが、実際にお会いすると「非常に懇切丁寧な対応をしてくださる方」だとも感じました。

 

 映像の中では村田さん、ひょっとしたら敢えて色々と「キャラづくり」をされているのかも知れませんね?(笑)

 

www.familly-fishing.net

 

 内藤さんの印象も同じく「知的で簡潔明瞭、理路整然」ですが、村田さんがハキハキ話をされるイメージなのに対して、内藤さんはホンワカ話をされる感じでしたね。

 もしも実現するのであれば、酒などを交えた上でのこのお二方の対談をぜひ聞いてみたいものですが…いかがなものでしょうか?