来週末も寒波は厳しいみたいですね、Jackです。
寒い日が続いてなかなか釣りに行けない一方、気象庁の発表では今後夏にかけて「エルニーニョ現象」が続く可能性が高いと発表されました。
天候・気象は海釣りにも大きく影響を与える要素ですが…今回はこの「エルニーニョ現象」について触れてみたいと思います。
今年の海はどんな感じ? エルニーニョ現象と釣りへの影響について
イントロダクション
先にも述べましたとおり、気象庁は平成31年2月12日付の報道発表で、今後夏にかけて「エルニーニョ現象」が続く可能性が高いと発表しました。
参考URL:気象庁ホームページ「エルニーニョ監視速報(No.317)について」
この報道発表資料によると、実のところ現在もエルニーニョ現象は続いているとみられ、ざっくりと結論を言えば「太平洋周辺の諸々の気象条件が重なって、太平洋東部の海面水温が平年より高い状態を維持するものと考えられる」のだそうです。
なお、エルニーニョ現象と対をなす用語としては「ラニーニャ現象」というものがあり、こちらは逆に太平洋東部の海面温度が一年程度の間、平年より低い状態が続くことを言うそうです。
参考URL:気象庁ホームページ「エルニーニョ/ラニーニャ現象とは」
エルニーニョ現象、ラニーニャ現象のいずれが発生しても、世界的には異常気象が続く傾向にあると言われており、日本もその例外ではありません。
エルニーニョ現象が日本近海に及ぼす影響は?
では、エルニーニョ現象が日本近海に及ぼす影響とは、どのようなものなのでしょうか?
気象庁ホームページで公開されている資料より抜粋すると、次の二点に集約されます。
1)夏季は太平洋高気圧の張り出しが弱くなり、気温が低く、日照時間が少なくなる傾向がある。また、西日本日本海側では降水量が多くなる傾向がある。
2)冬季は西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向がある。
参考URL:気象庁ホームページ「(エルニーニョ/ラニーニャ現象が)日本の天候に影響を及ぼすメカニズム」
気象庁ではさらに、エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴についても資料を公開しています。
参考URL:気象庁ホームページ「エルニーニョ現象発生時の日本の天候の特徴」
春の海の様子は?
上記の資料によると、春(3~5月)の天候の特徴としては平均気温は比較的高め、降水量の変化は例年と比べると「なし」、日照時間は西日本太平洋側で少ない傾向になるそうです。
この時期の海釣りの主なターゲットとしては春のアオリイカ、チヌ(クロダイ)、メバルが挙げられますが、平均気温が比較的高めになるということは、魚達の活性も上向きになる傾向が考えられます。また、日照時間が短めになる傾向もあるとのことなので、夜釣りには丁度いい具合になるかも知れません。
その他、平均気温が高めの傾向になるということは、海水温の上昇の度合いも例年と比べて早まる傾向が考えられます。これがどのような影響を及ぼすかと言いますと、沿岸部に繁茂するホンダワラをはじめとした海藻類が、海水温の上昇に伴って腐って流れていく時期が早くなる(=海釣りが出来る時期が例年よりも早くなる)のではないかと僕は推測します。今後の沿岸部の様子の変化に注目ですね。
冬の沿岸部はこんな感じに、海藻類が生い茂っている地域が多いことかと思いますが、この状態の海で釣りをするのはなかなか至難の業ですよね。
夏の海の様子は?
次に夏(6~8月)の天候の特徴としては、平均気温は「西日本で低い傾向。北日本で並か低い傾向」で、降水量は「西日本日本海側で多い傾向」、日照時間は例年と比較して大きな変化は「なし」とされています。
この時期の平均気温が低めになる傾向が、海釣りにとって吉と出るか凶と出るかは、狙うターゲットによって変わってくるのではないかと思います。
あまりに海水温が上がりすぎると、それはそれで魚の活性が下がることがあるので、決して悪いことではないと思うのですが、シロギスやマゴチ狙いの釣りをするのであれば、ひょっとしたら例年よりも厳しい釣果になるのかも?
特にマゴチは「照りゴチ」などとも呼ばれ、猛暑の夏が最盛期のターゲットです。また、一昨年はシマノ・ジャパンカップ(投)の中部大会に参加しましたが、5月の開催でまだ海水温もそれほど上昇していない時期だったため、全体的に釣果が渋かった記憶があります。
とはいえ、昨年の関西大会では前日にゲリラ豪雨に見舞われてこれまた海水温が下がり、散々な釣果だったこともあるので、西日本日本海側で降水量が多くなる傾向があるというのも若干気がかりなところです。
秋の海の様子は?
そして秋(9~11月)の天候の特徴としては、平均気温は「西日本、沖縄・奄美で低い傾向。北・東日本で並か低い傾向」で、降水量及び日照時間については例年と比較して大きな変化は「なし」だそうです。
平均気温が低めになる傾向が、例年の秋の楽しみの一つでもあるハゼ釣りに影響を与えそうな気がしています。一方、釣りをする人間の側からしてみれば、10月ぐらいまで続くことのある残暑の影響を受けなくて良いというのは、釣りがしやすいとも言えるでしょう。
でも、例えば昨年であれば、珍しく12月頃までサバが釣れていたのですが、平均気温が低めになるということは、今年の秋に釣れる魚は随分と様変わりする可能性が高そうです…はてさて、どうなりますやら。
冬の海の様子は?
最後に冬(12~2月)の天候の特徴ですが、平均気温は「東日本で高い傾向」、降水量は例年と比較して大きな変化は「なし」、日照時間は「東日本太平洋側で並か少ない傾向」になるそうです。
気象庁の発表では現在もエルニーニョ現象が見受けられるということなので、本来であれば平均気温は高めになるのでしょうが…過去1~2週間の週末の天気を振り返ると、またちょっと違うような気がします。(苦笑)
第四管区海上保安本部が発表している2月9日の熊野灘の海水表面温度のデータを見ると、おおむね16度ぐらいまでに低下していたのはびっくりしましたが…それ以前であれば黒潮の影響もあってか、平均して18度ぐらいをキープしていたので、先週末で一気に海中の様子が変わっていたはずです。
ちなみに、この時期の魚釣りのターゲットについては…ここしばらく釣りに行っていないので何とも言えませんが、昔であれば比較的海水温が安定している釣り場に足を運んで、木っ端グレやウミタナゴを釣っていたこともありました。
おそらく南勢以南で普通に?竿を出せば、グーフー先輩かササノハベラ辺りがぼちぼち釣れて、さらに南方へ遠征すると上手くいけばメバル&アジが、ヘタするとネンブツダイばっかり(どちらかというとこれまでの僕の傾向はこっち)が釣れると思います。
とは言っても、先に申し上げました通り先週末で一気に海の様相が変化しているので、ここしばらくは様子見が得策かも知れません。釣りに行きたい気持ちをぐっとこらえて、時間と交通費の節約に努めるのも悪くはないと思います。
最後に
さて、ここまでは例年の僕の経験なども交えながら、気象庁が公表されているデータを元に今年の海の様子を僕なりに予想してみました。
エルニーニョ現象の関係で例年と比較すると随分と気象条件が変わると思われる中、魚が釣れる釣れないといったところが、まず僕達釣り人の興味の対象となることだと思われますが、お互いに忘れてはならないことは「海釣りの際の安全対策」でしょう。
例年と比較して気象条件が変わるということは、突発的な風や波が発生する危険性も十分に考慮する必要があると思います。
安全に釣りを楽しむためにも「日頃の安全対策(特にライフジャケットの着用)に気を付ける」「天候が急変した際には、時と場合によっては釣行を諦める」などといった点に注意するよう、お互いに心がけましょう!!