皆さんこんにちは、Jackです。
今年は伊勢湾内で青物フィーバーが続いたこともあって、昨日までの間でお師匠様の漁船に都合4回乗せていただいたのですが、今回はその中で気が付いたことを備忘録としてまとめていこうと思います。
操船には小型船舶免許が必要な、エンジン付きの漁船に乗せていただいた時のことではありますが、状況としては手漕ぎボートに乗った時にも共通して言えることだと思いましたので、これからボート釣りを始められる方には参考にしていただける内容だと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
今年のオフショアからの釣りで気が付いたこと
イントロダクション
僕が普段している陸からの釣りのことを、釣りの用語では「ショアからの釣り」と言います。ショアとは「海や湖、沼などの岸」のことを意味していて、ライトショアジギングなどは「比較的軽めのルアーを使った、岸からのジギング」のことを言ったりします。
それに対して、ボートや釣り船など、船に乗ってする釣りのことを「オフショアからの釣り」などと言います。岸からの釣りではなく、水の上での釣りなので「オフショア」という感じです。
今年はエルニーニョ現象の影響などもあってか、カタクチイワシなど小型のベイト(エサ)の大群が伊勢湾内にも入り、それに伴ってブリやサワラなどの青物系の魚達が伊勢湾内の各地の沿岸でたくさん釣れていました。
まあ、ショアからの釣りでもかなり良型の青物がたくさん釣れていたようですが、青物を釣る際には「ナブラ打ち(小さな魚達が青物などに追われて、水面をバシャバシャと逃げ惑っている状態を「ナブラ」と言います。)」が基本となり、オフショアからの釣りの方が簡単にナブラを狙った釣りが出来るため、今年はお師匠様の所有されている漁船が毎週末出港しているような状態でした。
僕も今年は都合4回、お師匠様&ご子息M君&お師匠様のお兄さんと一緒にオフショアからの釣りをさせて貰ったのですが、そこで気が付いたことをこれから色々とご紹介していきたいと思います。
オフショアからの釣りで気が付いたこと
岸から離れた場所の潮の流れは、思っていたよりもはるかに速い
今年僕が体験したオフショアでの釣りは、三重県津市の沿岸付近の釣り(阿漕浦海岸や贄浦海岸付近)だったのですが、ショアからの釣りでは分からなかったぐらいに、岸から離れた場所の潮の流れはかなり速かったです。
と言いますのも、釣りをするために船を停めても潮の流れが速いため、船が潮に流されて船の向いている方向が停船した時からどんどん変わっていって、自分がルアーを投げた方向に対して自分が向いている方向もどんどん変わっていったのです。
それに加えて、キャストしたルアーも潮に流されてどんどん移動していくため、自分がルアーを投げた時には真正面に投げたはずなのに、リールを巻いてルアーを回収する時にはルアーが真横から戻ってくるようなこともしばしばありました。
複雑に絡み合う潮の流れ
先に述べました、真正面に投げたはずのルアーが真横から回収されてくることにも関係しているのですが、オフショアからの釣りにおいては、潮の流れを読むのが非常に難しかったです。
と言いますのも、ショアからの釣りであれば自分の立ち位置は全く動かないため、特に水深が深い場所などで複数の潮の流れが複雑に絡み合っていても「あ、今自分から見てこちらの方向にルアーが流されているな」という感覚が比較的分かりやすいのですが、オフショアからの釣りの場合は自分が乗っている船も潮に流されており、この潮流がルアーが流されている潮流とは別のものになってくると、自分もルアーも別々の潮流に流されるため、自分とルアーの相対関係の把握が難しかったです。
何とか五感を総動員して「こんな感じにルアーを動かしたい」という意思はあったのですが、その意思が実際のルアーの動きになかなか伝わらないようなこともしばしば…海の表面付近と底付近で潮の流れの方向が違う時などは、リールを巻く時の手ごたえが目まぐるしく変化するようなこともしょっちゅうありました。
比較的水深が浅い海でも、最低30グラムのメタルジグが必要
津市沿岸の海は比較的遠浅の地形で、岸から1キロメートルぐらい離れた位置でも水深が3メートル弱ぐらいしかないような場所が多かったです。海の透明度が比較的良い状態であれば、砂地の海底がすぐそこに見えるぐらいで、お師匠様も釣りの間に頻繁に推進を図っていましたが「竿一本あるかないかぐらい」などと言っていました。
この時にお師匠様が使っていたロッドの長さは9フィート6インチ(約3メートル弱)だったので、水深はだいたい3メートル前後という訳ですね。
主な釣り場は、こんな感じの場所でした。海岸から1キロメートルも離れていないような場所ですね。
それでも、潮の流れはそれなりに速いため、軽いルアーではきちんと底を取ることが出来ず、使用していたルアーは28グラムのメタルマルと24グラムのジグヘッドにつけたワームでした。
自分の感覚では、28グラムのメタルマルはそれなりに重さがあると思っていたのですが…普通にリールを巻いていると、いとも簡単にルアーが海底付近から浮き上がってしまうため、リールを巻くスピードを非常に遅くして、出来るだけルアーが浮き上がらないように気を付けました。
普段漁港やサーフ、消波ブロック帯から投げるのであれば、19グラムのメタルマルでも十分だと思っていたのですが…ボートからの釣りで使用するのであれば、ルアーのウェイトが軽すぎるように感じました。
サーフ沿岸での釣りだったので、きちんと底を狙えればこれぐらいのマゴチが釣れたりします。
このマゴチはお師匠様のお兄さんが釣り上げたものですが、使用されているメタルジグのサイズはだいたい30グラムぐらいでしょうか。
個人的には40グラムのメタルマルを買い足そうかと悩んだりもしたのですが、お師匠様からは「道具に頼らなくても、自分のルアーの動かし方に注意すれば良いだけ」などとたしなめられたり…まあ、実際に魚を釣っている人から言われてしまうとぐうの音もでないですね。(苦笑)
本格的な釣り船に乗って、沖に出て釣るジギングなどでは、100グラムオーバーのメタルジグなども普通に使用されていますが、それぐらいに岸から離れた場所の潮流は速いと思っていただけると良いでしょう。
使っているルアーが重くなると、それに耐えられるロッドが必要に
お師匠様からは事前に「運が良ければ(悪ければ?)、比較的大きめの魚がヒットするから、普段使いの竿やリールのセットだと簡単に魚にのされて終わっちゃうよ」と言われていたので、ビビりの僕はライトショアジギング用のロッドとリールを持ち込んで釣りをしていました。
まあ、そのおかげもあって、
事故でこんな魚が釣れても、ただの力押しで比較的すんなりと釣り上げることが出来たのですが、
M君のように、90センチメートルのブリを30分かけて、PE0.8号のラインで釣り上げるような真似は、僕にはなかなか出来そうもありません。(苦笑)
とはいえ、ライトショアジギング用のロッドとなると比較的長くて重いので、ずっと釣りを続けていると、だんだんと疲れてきます。
僕以外の三人の人達は、9フィート6インチのシーバスロッドで釣りをされていたので、僕も昨日はいつものルアーマチックS86MLを使ってみたのですが…それまでは10フィートで硬さがMクラスのロッドを使っていたため、ルアーを投げてもふにゃふにゃな感じが否めませんでした。
普段ショアで釣りをしている時には、ルアーマチックS86MLでパワー不足を感じたことはなかったのですが…使っているルアーの重さも、釣り場の潮の流れの速さも違ったためか、「これは小型の青物が釣れても、ちょっと大変かも」などと思ってしまいました。
一方、お師匠様やM君は、同じシーバスロッドでもMクラスのロッドを使用されていたので、僕も「今よりも短めで、もう少し硬いロッドが欲しいなぁ」などと思ったのですが…これから先、そんなに頻繁にボートからの釣りをする可能性がどれだけあるのかを考えると、今持っている道具で何とかする方が良いのかなとも思い直したり。
ここで物欲が強くなってくると、どんどんとタックルの数だけが増えていくのでしょうね。(苦笑)
思っていたよりも、塩水の影響は大きい
陸からの釣りの時にはあまり気にしていなかったことなのですが、オフショアでの釣りでは、海水の影響が結構馬鹿になりませんでした。
例えば、不意に押し寄せる他の船の引き波や、ランディングネットで魚をキャッチする時などの影響で、自分自身や釣り道具に海水を浴びることもあったりして…特に足元は、濡れても問題が無い恰好(長靴を履くか、暑い時期であればいっそサンダル履きにするか)をしておくことが無難です。
また、ロッド(特にガイド部分)やリール(スプール周りやラインローラー付近)に付着した海水が、短時間で乾燥して細かい塩の結晶になっていたり…気のせいか、陸からの釣りよりも顕著にその傾向が見られたように思います。
という訳で、釣りが終わった後にはいつもより入念にロッドやリールを水洗いしておくことをお勧めします。
海の上にいるので常に潮風にさらされることなどもあって、我々が思っているよりも道具に対する海水の影響は大きいようです。各釣り具メーカーがリールで「ソルトウォーターモデル」をわざわざラインナップに挙げているのも、ちゃんと理由があるみたいですね。
船からの釣りであれば、魚は簡単に釣れるという幻想
あくまでも僕の個人的な思い込みだったのかも知れませんが…普段ショアからの釣りでなかなか魚が釣れない時には「これだけ広い海なのだから、魚が一匹もいないなんてことはそうそうないはず。船に乗って沖の方に出れば、案外簡単に魚が釣れるんじゃないだろうか?」などと思っていたのですが…その考え方は甘かったですね、はい。
今年のオフショアからの釣りでは、経験豊富なお師匠様やお師匠様のお兄さんが一緒だったので、釣れるであろう場所に連れて行ってもらって釣らせていただいた感が非常に強かったです。
一方、広い海の上に出てしまうと、魚群探知機などの機械があれば話は別ですが、海の中の様子などはさっぱり分からず、どの辺りに釣りのポイントを絞って良いのかが非常に分かりづらいと感じました。
ショアからの釣りの方が、岩や海藻などの場所も目視で分かるため、魚を釣る時のポイントを絞りやすいとでも言いましょうか…それが広い海の上だと、目視だけではほとんど状況がつかめず、せいぜい潮目が船の近くに見えるぐらいです。
僕が一人だけでボート釣りをしていれば、きっと途方にくれて終わっていたように思います。沖に出さえすれば魚がバンバン釣れるというのは、ただの幻想でした。
最後に一番重要なこと
ここまでのお話では、特に潮の流れの速さに関連したことを列記してきましたが、ボート釣りをする上で一番大事なことを最後に強く言っておきたいと思います。
それはズバリ、酔い止めの薬は絶対に飲み忘れないことです。
乗り物酔いに強い人にはあまり関係が無い話かも知れないのですが、僕はどちらかというと、モロに船酔いするタイプです。
父親が商船の機関士をしていたことなどもあって、子供の頃から貨物船やオイルタンカーなどには何度も乗っていたのですが…大きな船であればそれほど揺れを感じない(意識すれば「少し揺れているかな?」と思うぐらい)のですが、手漕ぎボートなどはもちろんのこと、釣り船ぐらいのサイズの船でも、少し沖の方に出ただけでも海のうねりの影響などを受けて、結構な揺れを感じることになります。
お師匠様の船は河川の途中に係留されているため、海に出るまでの間は全くと言って良いほどに揺れを感じないのですが…比較的波のない穏やかな海でも、時々うねりが押し寄せることもありまして。
昨日は約束の出船時間に少し遅刻してしまい、慌てて船に乗せてもらったため、せっかく道中で準備してきた酔い止めの薬を飲み忘れたのですが…「今年はこれで4回目のボート釣りだし、そろそろ身体が船の揺れにも慣れているかな?」などと高をくくっていました。
ところが、体質というものはなかなか変わらないようでして…いつもの釣り場に出たところ、最初の30分ぐらいは何とか船酔いを意識せずに釣りが出来たのですが、そこから先はだんだんと気分が悪くなってきて、40分後ぐらいからはひたすら船酔いとの格闘になりました。
「人間の持つセルフイメージの力は凄い」と最近知る機会があったので、僕も「船酔いなんかは気のせい、大丈夫大丈夫」などと、自分に自己暗示じみたことを試してみたりもしたのですが、やっぱり駄目でしたね。身体は正直でした。
時折周囲を航行する船の引き波などで、船にやや大きめのうねりが当たったりもするのですが…自然に吹いている風の影響の小さなうねりだけでも、まるでボディーブローのように後から効いてきました。
何度目かの出船の後でお師匠様も「船からの釣りだと、普段の陸からの釣りに比べたら結構疲れるもんやなぁ」とか言われていましたが、たとえ小さなうねりでも連続して押し寄せられると、かなり体力を削られます。
個人の体質の差もあると思いますが、僕の場合は船酔いすると、断続的に吐き気に襲われ、それが長時間続くと唇が震えたり寒気がしたり、腹痛にまで発展したり…そして、エンジン付きの船に乗っていてこの状態になると、排気ガスの匂いが更に船酔いを加速させてくれます。(笑)
船に乗っていると常に波に揺られている状態なので、内臓がシェイクされ続けた結果そうなるのかなって思うのですが、なまじ他の同行者の皆さんは全く船酔いをされず、また僕はお師匠様達の釣りに同行させてもらっている身なので、自分の船酔いだけで船を戻してもらう訳にもいかず、うっかり薬を飲み忘れた結果、昨日は非常につらい思いをしました。(苦笑)
あと、非常に基本的なことですが、オフショアからの釣りの時には必ずライフジャケットを着用してください。
オフショアからだろうがショアからだろうが、釣りをする時のライフジャケットの着用は自分の身を守る上で大変重要な(そして基本的な)ことなのですが、一応念のため。
比較的水深の浅い場所(場所によっては、水深2メートルないぐらい)での釣りでしたが、この点だけは僕以外の皆さんも、全員がライフジャケットを着用していました。落水して潮に流されたら、あっという間に足のつかない深場まで身体を持っていかれることも普通にあり得ますので。
色々な意味で、海をなめてかかると非常に怖い思いをします…オフショアでの釣りをする機会がある皆さんも、くれぐれもご注意下さいね。