釣りの禁断症状がそろそろ出てきそうです、Jackです。
「釣りは一種の不治の病」とは、良く言ったものですねぇ…今回はそんな「釣れない冬」での釣りについて、少しお話をしてみたいと思います。
釣れない冬の乗り切り方 今どうしても海釣りがしたいアナタへ
イントロダクション
皆さんご存知のとおり、魚は変温動物です。よって、海水温が下がってしまうと魚の活性は比例して低下してしまい、魚達はより水温の安定した沖の方へ移動してしまうか、仮に魚が見えてもエサに見向きもしてくれなくなるといったことが多くなります。
寒風吹きすさぶ中、釣りに行っても生命反応すらないということは、この時期では普通にあります。
そんな中でも、フグだけは相手になってくれることが多いのですが…。(苦笑)
そもそも魚にとっては、低水温によって活性が下がる=代謝が下がるということで、エサを取る必要性が薄れてくるということもあるのですが…それでも何とか「釣りがしたい」という方に向けた、いくつかのお話をしてみたいと思います。
釣れない冬の乗り切り方
海水温の比較的高い場所まで遠征する
僕が主に海釣りをする三重県沿岸を例に取ると、伊勢湾内の海水温(表面温度)は10度前後にまで低下していて、ほぼだいたいの魚がより沖の深みへと移動してしまっています。
過去の記事においても触れたかと思いますが、僕が一番良く行っているメバル狙いの電気ウキ釣りなどでも、海水温が16度以上ぐらいにならないと魚が釣れません。
そんな時にどうするかと言いますと、南勢以南(南伊勢よりも南)の海まで足を伸ばすことになります。毎年1~4月ぐらいまでの間、伊勢湾内の海水温は低い状態であっても、南方から流れてくる黒潮の影響を受ける南勢以南の沿岸であれば、おおむね18度程度の海水温をキープしていることが多いです。
同じ魚が釣れるのであれば、出来るだけ自宅から近い場所で釣りをする方がコストパフォーマンスは高いのですが、今のような寒い時期に「どうしても釣りがしたい」というのであれば、遠征費用には目をつぶって暖かい沿岸を目指すと良いでしょう。
また、お近くの釣り場で火力発電所や工業地帯が側にあるなど、温排水が海に流れ込んでいる場所などがあれば、そういった場所での釣りも大変有効になってきますよ。
そのような場所が自宅から近い距離にあれば、ハイコストな遠征費用の問題は解決できるはずです。
より沖の方の釣り場で釣りをする
遠征と同じようにコストがかかるという点はありますが、もう一つの方法としては「より海水温が安定している沖の深場を狙える釣りをする」というのが挙げられるでしょう。より具体的に言えば、渡船で沖堤防へ渡って釣りをする、船釣りをするといった方法が挙げられます。
ただ、より暖かい沿岸へ遠征するのとどちらがコストが掛かるのかは、皆さんの海釣りに対する環境次第と言えるかも知れません。
渡船で沖堤防へ渡してもらうのであればまだしも、船釣りをするとなると乗船料も結構かかる(乗り合い船で一人当たり、おおむね15,000~20,000円ぐらい?)ことになりますし、堤防釣りなどで使っていた道具では対応できない釣りになってしまいます。
沖に出ると潮の流れも速くなり、水深もかなり深くなるので、陸からの釣りではほとんどお目にかからないような重さのおもりや、それに対応できる強度を持ったロッドを用意したりする必要があるため、釣り道具を新たに揃えなおす必要も出てくることでしょう。
釣り道具にかかるコストも問題ですが、それだけの道具を揃えて一体何回船釣りをするのかといった点も悩ましいところです。同じ海釣りといっても、陸からの釣りに比べると船釣りはかなりハイソ(死語?)な釣りになってきます。
でも、陸からの釣りではまずなかなかお目に掛かれない魚が釣れるという楽しみもあります。こうなってくると、自分の自由に出来るお小遣いとの相談となってくることでしょう。
低水温に強い魚を狙う
これまでにご紹介してきた数々の釣り方で狙える魚のうち、メバルやカサゴ、ソイ類などの根魚系や、チヌ(クロダイ)、シーバス(スズキ)などは、他の魚達に比べると比較的低水温に強い魚と言われています。
根魚を狙うのであれば、先日ご紹介した穴釣りなどで釣ったり、シーバスであればルアー釣りでもまだ何とかなったり…むしろ低水温の時期にハイシーズンを迎えるカレイやアイナメなどであれば、何本かの竿を出しての投げ釣りといった釣り方もあります。
ただし、いくら低水温に比較的強い魚が相手とはいえ、海水温がそれなりに暖かい時期に比べると活性が低いことには変わりがありません。
特にカレイの投げ釣りなどがそうですが、日中に数本の竿を出しながらじっと「待ちの釣り」に耐えて、一日かけてようやく一匹の魚を釣るという状況もしばしばです。そんな時には、暖かい飲食物などを取りながらじっくりと腰を据えて釣りをするというのも良いでしょうね。
風の影響が少ない釣り場を選ぶ
釣り人用語では「風裏を狙う」などという言い方をしますが、海面を吹き抜ける風は海水温の低下を招きます。
強風が吹きすさぶ中での釣りは、釣り人にとっても「寒い」「釣りづらい」といったデメリットを招きますが、魚にとっても「海水温が低くなって、活性が下がる」といったデメリットがあります。
天気予報とにらめっこしながら「日中の気温が高くて、なおかつ風速が弱い場所」を選んで釣りに行くと良いでしょう。
釣り方を工夫する
とは言っても、特にファミリーフィッシングにおいては長距離の遠征や船釣りなどは、なかなかハードルが高い方法だと思います。また、同じ低水温に強い魚を狙うにしても、寒風吹きすさぶ中でじっとアタリを待ち続ける釣りというのも、なかなか身に堪えてくることと思います。
となってくると、同じ低水温に強い魚を狙うにしても、釣り方に一工夫を加えることによって、より魚を釣りやすくすることも出来ると思います。
僕が考えるところの具体策は、次の2点です。
1)朝マズメや夕マズメの時間帯よりも、日中の時間帯に釣りをする
本来であれば、魚がエサを活発に取ろうとする朝マズメや夕マズメの時間帯は「ゴールデンタイム」なのですが、こと冬の時期においては太陽が昇り切っていない(あるいはこれから沈んでく)時間帯なので、海水温という点において魚の活性は低くなりがちです。
であれば、晴れた日に太陽が昇っている時間で釣りをする方が、少しは海水温が上昇するため魚の活性も上がりやすくなり、魚が釣れる確率も少しは上がることと思います。
2)撒きエサを活用して、魚を寄せる
ただでさえ魚の活性が低いこの時期です。暖かい時期の釣りのように、釣り針にエサをつけて海中に仕掛けを投げるだけでは、なかなか魚が釣れる確率は上がりません。
であれば、針につけたエサ以外にも撒きエサを撒くことによって、魚の味覚や嗅覚に訴えかけて魚を集めて釣る方が、より魚が釣れる確率は上がるというものです。磯場での寒グレ釣りなどが、この考え方に当てはまる釣り方だと思います。
とはいえ、家族で磯釣りというのはなかなか考えづらいシチュエーションですので、磯釣りと同じように撒きエサを撒いて魚を寄せながら釣りをすれば、木っ端グレやウミタナゴなどが釣れる確率が高くなります。
僕もお師匠様からは「今の時期にどうしてもウキ釣りがしたいのであれば、コマセ(撒きエサ)は必須」とよく言われます。
最後に
何だかんだとここまで、寒い冬の時期の釣りに対するアプローチについてお話をしてみましたが、仮に釣果に恵まれなかったとしても、釣りに対する経験値を得られるという意味においては、「おそらく釣れない」と分かっていても釣りに行くというのは決して悪いことではないと思います。
ただし、ことファミリーフィッシングにおいてはこのお話は当てはまらないです。
僕もよく経験しますが、特に子供達は「釣れない釣りにはすぐ興味を失う」ことが多いです。遠路はるばる子供を連れて釣りに来たものの「ボウズ(釣果無し)でした」では、子供達はもちろんのこと奥さんからの視線も痛くなるというもの。
「練習のつもりの釣り」「気晴らしの釣り」であれば、一人で行くか、気心の知れた釣り仲間と行くぐらいに収めておくのが良いと思いますよ。(笑)