家族でたのしくフィッシング

主に家族で海釣りを楽しむためのお話をつづるブログです。海釣りに関する様々な情報や、道具のご紹介などを綴っていきます。

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ナイロンorフロロカーボン リーダーに適しているラインはどっち?


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 梅雨入りに伴って、雨の日が続きますね。Jackです。

 

 今回も(笑)なかなか釣りに行けない日々が続いているため、ちょっとした雑学に関するお話をしてみたいと思います。扱うテーマは「リーダー用のライン素材の選び方」についてです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

ナイロンorフロロカーボン リーダーに適しているラインはどっち?

イントロダクション

 先日、長男&次男と一緒にキャンプに行った時、二日目のキャンプ場主催の釣り大会では投げ釣りでシロギスを狙っていたのですが、その時に使用していたラインは0.6号または0.8号のPEラインに、2号のフロロカーボンラインをリーダーとして結んでいたものでした。

 

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 その時に使用していたロッドが普通の万能竿だったので、アリビオ2500にPEライン+リーダー(ここでは摩擦に弱く伸びが全くないPEラインを保護するために、PEラインの先に結ぶ異なる素材のラインのことを表し、一般的には「ショックリーダー」などとも呼ばれています。)を巻いたエアノスXT用の替えスプールを使用していました。

 

 本来の投げ釣りであれば、定番セッティングはPEライン+ナイロン製の力糸(12~15メートルぐらいの太いナイロンラインをPEラインの先に結ぶことによって、仕掛けを投げた時の衝撃でPEラインが切れないようにするためのラインを「力糸」と言います。)を使用するのですが、この日は2号のリーダーが力糸の役割を果たす…はずでした。

 

 「はずでした」と言ったのは、リーダーに使用していたのがフロロカーボンラインだったため、投げ釣り仕掛けを投げた時のショックを上手く吸収しきれていなかったのか、仕掛けの高切れ(仕掛けを投げた際に、その衝撃でラインが切れて仕掛けだけを失ってしまうこと)が数回発生してしまいました。

 

 この時は、仕掛けの飛距離を稼ぐためにPEラインを使用していたのですが、結局はこの高切れ多発により、いつものナイロンライン3号にラインを戻した始末…ちょっと格好悪いお話ですが、まずはそんなこともあったというご紹介です。(苦笑)

 

 さて、ここからが本題なのですが、今回は力糸としての機能を期待していた「リーダー」、使用されるラインの素材には主にナイロンとフロロカーボンの二種類があるのですが、どちらの素材を使用するのがより良いのか…今回のラインの高切れの件も踏まえて、僕なりの考察をお話ししていきたいと思います。

 

 なお、ラインの素材に関する基礎知識につきましては、以下の過去記事をご参照ください。

 

www.familly-fishing.net

 

参考資料その1:村田基さんによるラインの解説について

 リーダーの素材はナイロンか、はたまたフロロカーボンか…この手の話題は昔から尽きないようですが、まずは御大・村田基さんの解説をご紹介いたします。

 

 村田さんは他の動画でもちょくちょく語られていますが、フロロカーボンラインは「弱い(切れやすい)」「太い」「重い」という点から、ナイロンラインに比べると劣る点があると言われています。

 

 上記の動画の中では、実際にマイクロゲージで同じ5lb(ポンド)のナイロンラインとフロロカーボンラインを測り比べていますが、ナイロンラインが約0.17ミリメートルであるのに対して、同じポンド数のフロロカーボンラインは約0.2ミリメートルであるとのことでした。

 このことから、同じポンド数(同じ強さ)で比較するとナイロンラインに比べてフロロカーボンラインの方がラインの直径が太くなる=フロロカーボンラインの方が、素材としてナイロンラインに比べて弱いという理論になっているようです。

 

 また同様に、同じメーカーの同じスプールに、同じ号数で同じ長さのナイロンラインとフロロカーボンラインを巻いたものをそれぞれ計量器に乗せていますが、フロロカーボンラインの方が約1グラム重いという結果にもなっています。

 上記の動画ではフロロカーボンラインのほうが直径が太い分、同じ号数で同じ長さのラインを巻いた時に重量が重くなるので、釣具メーカーが必死になってリールの軽量化を行っても、フロロカーボンラインを使用することによって仕掛けの飛距離に影響が出てしまうことがあるといった論調となっていました。

 

 なお、村田さんは他の動画などで「フロロカーボンラインは一日使用すると、傷だらけになって真っ白に変色してしまう」といったこともちょくちょく言われているのですが、この点については次の参考資料と併せて考えてみたいと思います。

 

参考資料その2:ヒロ内藤さんによるラインの解説について

 さてお次は、もう一人の御大としてヒロ内藤さんにご登場願いましょう。(笑)

 

 本動画の内容でまず興味深いのは、冒頭部分(1分50秒ぐらいから)で「『(ナイロンに比べて)フロロの方が(耐摩耗性が)良いのですか』というのは、全くデータ上は関係ありません」と言い切っておられる点です。

 

 内藤さんによれば、フロロカーボンラインの方が耐摩耗性が良いと思われがちな理由は「ラインが硬く、一般的に『硬いものの方が削れづらい』と思われているため」なのだそうです。

 上記の動画の中ではその続きのお話として、動画の中で紹介されているナイロンラインは素材そのものの耐摩耗性をずっと高いレベルまで向上させることによって、「硬い素材の方が耐摩耗性に優れている」といった考え方から全く異なる次元にある、といったことを述べられています。

 

 なお、村田さんの項でお話しした「フロロカーボンラインの方が傷がつきやすい」という点について、内藤さんが上記動画で紹介されているラインのメーカーであるユニチカさんが、次のような表をホームページ上に掲載されていました。

 

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出典:ユニチカ株式会社

 

 ユニチカさんのこの表を見る限りでも、耐摩耗性という点においてはフロロカーボンラインよりもナイロンラインの方が優れているとされています。

 

参考URL:ユニチカ株式会社「ラインテクノロジー クオリティの源は素材にある。」

 

 内藤さんが動画の中でおっしゃられていたように、ナイロンラインの素材そのものの改良が効果を表していることなのかも知れませんが、この表の記載内容は村田さんの「フロロカーボンラインの方が傷がつきやすい」というお話とも一致しています。

 

Jackによる考察結果

 上記2点の参考資料を元に、「リーダーに適しているライン(素材)はどちらか?」という点について僕なりの考えを述べさせていただくと、「一部条件を除けば、リーダーに使用する素材はナイロンの方が理に適っている」という結果になりました。

 

 釣具の開発という点において経験豊富な御大お二人のお話から見ても、リーダーに使用するライン素材として適しているのは「ほぼナイロン一択」と言っても差し支えは無いでしょう。

 

 また、ここまでのお話から考える中で、リーダーに求められる性能は「耐摩耗性」もしかりですが、魚がヒットした時の「耐ショック性」も大切です…せっかく魚がヒットしたのに、その時の衝撃でブチッとラインが切れてしまったら目も当てられません。特にPEラインは、ちょっとした傷が原因で高切れ(ここでは『リーダー部分ではなく、道糸部分でラインが切れること』を言います。)する危険性がありますから。

 

 その点、ナイロンラインの方がフロロカーボンラインに比べて「伸び」がある(というか、フロロカーボンラインは「伸び」が少ない)のは、リーダーの機能の一つとして大きなアドバンテージになるでしょう。

 一番最初に僕がお話しした投げ釣りの際にも、リーダーにナイロンラインを使用していれば、仕掛けの高切れを防げたのかも知れません。

 

 また、そもそも御大お二人のお話は、ブラックバス釣りの際の道糸の素材の話をされていたように見受けられますが、その場合においても「基本的にはナイロンライン」で良いと僕は思います…その理由は、フロロカーボンラインがナイロンラインに比べて「巻き癖が強い(=ライントラブルを起こしやすい)」「耐摩耗性が弱い」「重い(=ルアーを投げた時の飛距離が出にくい)」ためです。

 

 ただし、さっき「一部条件を除けば」と言った理由についてですが、これまでにもお話しした通り、フロロカーボンラインはナイロンラインに比べて(比重が)重い素材なので、仕掛けを出来るだけ早く水になじませたい(または、出来るだけ早く沈めたい)ようなケースにおいては、リーダーにフロロカーボンラインを使用するのもアリだと思います…どのようなケースにおいてそのような条件が発生するのかは、僕もすぐには思いつきませんが。どうもすみません。(苦笑)

 

 道糸にフロロカーボンラインを選択する理由としても同様で、どのような釣り方をするかによってラインの素材を選び、その選択肢の一つとしてフロロカーボンラインも挙げられるといいますか…村田さんなどは他の動画で、より具体的に「バスプロがボートの上から、短い距離を攻めるような釣りで使うには良いライン」とおっしゃられていました。

 

 その他、村田さんは上記動画の中で、フロロカーボンラインの特徴として「硬いものに対しては(耐摩耗性が)弱い、柔らかいもの(水草など)に対してはめっぽう強い」ともおっしゃられています。

 ラインが摩擦で切れる時の条件については、内藤さんも上記動画の冒頭で詳しく述べられていますが…「ラインの横方向の摩擦」でラインが切れることについては、十分に注意を払う必要性がありそうですね。

 

最後に

 ナイロンラインについては、他の素材のラインと比べると比較的安価であることなどから、ついつい「他の素材のラインの方が(値段が高い分)性能が上」みたいに思いがちなのですが、素材そのものの性質をよくよく見比べると、やはり釣り方における適材適所があるのと同時に、実はナイロンラインの守備範囲はかなり広いんじゃないかとも思います。

 

 僕自身、一本のロッドと一つのリールで「何でも釣り(その時の状況でウキ釣り、ちょい投げ釣り、ルアー釣りなど、様々な釣り方に切り替える釣り)」をする時には、ナイロンライン一択となってきますし…ナイロンラインの場合、フロロカーボンラインやPEラインほどの「尖った長所」はないものの「尖った短所」もないんですよね。

 

 で、リーダーに使用するのはナイロンラインの方が良いというお話だったのですが…いっけね、先日高切れしたPEラインのリーダー、フロロカーボンラインで組んじゃった。(苦笑)

 また近いうちに、リーダーを組み直すことにします。てへ。