皆さんこんばんは、Jackです。
今回は突然の思いつき企画で、ナイロンラインに関する考察です。
釣りで使われるラインの種類は色々とありますが、一番使い勝手が良いのはやっぱりナイロンラインかな…というお話です。どうぞよろしくお願いいたします。
「ナイロンラインって、実は一番使い勝手がいいんじゃないの?」というお話
最近の僕の、釣りにおける使用ラインの傾向について
ここ最近、僕が釣りの時に一番多く使っているラインの種類は、実はナイロンラインです。その次がPEラインで、ほとんど使っていないのがフロロカーボンラインでしょうか…エステルラインについては、今まで一度も使ったことがありません。
その一番の理由は「僕がズボラなアングラーだから」なのですが、今回はナイロンラインの使用頻度が一番高い理由を考察しながら、ナイロンラインのポテンシャルの高さについて考えてみたいと思います。
あ、各種素材別のラインの特徴などについては、以下の過去記事などもご覧いただければ幸いです。
ナイロンラインそのものの特徴は?
ナイロンラインそのものの特徴については、おおむね次のようなものが挙げられます。
・価格が安い。
・比重は1.14と、水よりも少し重い。
・他の種類のラインに比べると、伸び率が高い(=感度が若干下がる?)。
・他の種類のラインに比べると、吸水率が高い(=痛みやすい)。
・PEラインほどではないけれども、フロロカーボンラインよりはしなやか。
・モノフィラメント(単一素材)で作られているため、比較的根擦れに強い。
列挙した特徴の中では、他の種類のラインに比べて性能的に劣る?部分もあるのですが、では具体的に他の種類のラインと直接比較していくと、どのような特徴が見えてくるのでしょうか?
フロロカーボンラインと比較した場合
ナイロンラインをフロロカーボンラインと比較した場合、見えてくる特徴は次のようなものが挙げられます。
・フロロカーボンラインよりもしなやかなので、ライントラブルが起きにくい。
・フロロカーボンラインほどではないにせよ、比重がそれなりにあるので水に馴染みやすい。
・同じ号数(耐荷重)で比較すると、フロロカーボンラインよりも細い。
・仕掛けやルアーを投げたとき、フロロカーボンラインよりも比較的よく飛ぶ。
・フロロカーボンラインに比べると、根擦れに強い。
特に最後の特徴については、フロロカーボンラインが比較的硬い素材のラインなので「ええ~、本当に~?」って思われる方も多いと思われますが、かの村田基御大がちょくちょくYouTubeの動画上で言っていることなので、それなりに信用して良いお話だと思います。
何でも、フロロカーボンラインは海水が乾いて出来た塩の結晶などでこすられ続けるとすぐに真っ白になってしまい、ひどい時にはライン強度的に一日持たないケースもあるのだとか…それに比べると、ナイロンラインは多少傷がついても太さを維持している限りは一定の強度を保つことができ、一日釣りを続けていてもまあ大丈夫なのだそうです。
また、素材の特徴として見ると、フロロカーボンラインはナイロンラインよりも手触りが硬めなので、その分だけナイロンラインよりも根擦れに強いイメージを持たれがちですが、実際のところフロロカーボンラインの特徴は「藻や海草などのように柔らかい素材に対してはめっぽう強いが、岩などの硬い素材に対してはめっぽう弱い」というのが、ちょくちょく村田さんがYouTubeの動画の中でおっしゃられていることです。
そして、村田さんはYouTubeの動画の中で、同じ号数のナイロンラインとフロロカーボンラインの太さを、それぞれマイクロゲージを使って測っておられましたが、実際にフロロカーボンラインの方がナイロンラインよりも若干太いという測定結果が出ていました。
このことからも、素材そのものの性質で見れば、同じ引っ張り強度を保つにしてもフロロカーボンラインの方が太い=素材的には同じ太さであれば、ナイロンラインよりも引っ張り強度が低いということが見て取れます。
こちらの動画などが、ここまでのお話の参考になるかと思います。
あと、フロロカーボンラインはナイロンラインに比べるとしなやかさに劣るため、リールのスプールに巻いた時に巻き癖が付きやすく、仕掛けやルアーをキャストした時にスプールからボワっとラインが出てしまって、ライントラブルが発生する確率が少なからずあります。
出来るだけしなやかで細いフロロカーボンライン(例:シーガーのフロロリミテッドR18など)を使うことで、ある程度はライントラブルを防ぐことが出来ますが、ナイロンラインではまずもって発生しにくいトラブルです。
そのほか、フロロカーボンラインは比重が比較的重いため、ルアーなどをキャストした際にも水中のラインは底の方を這うように伸びているので、魚のアタリがあった時に合わせを入れても、水中の底を這って伸びているラインに張りがないため、フッキングが甘くなる傾向があるのだそうです。
村田さんも「フロロカーボンラインを使っていて合わせを入れる時には、ロッドを立ててフッキングさせるのではなく、ロッドを横方向に寝かせてフッキングを入れる方が良い」とおっしゃられていました。ロッドを立ててフッキングすると、水の底近くを這っていたラインのたるみがフッキングを甘くさせる一方で、横方向にロッドを寝かせてフッキングを入れれば、そのたるみをいくらかでも軽減できるのだそうです。
PEラインと比較した場合
さて次は、PEラインをナイロンラインと比較した場合に見えてくる特徴についてです。
・伸び率が低く引っ張り強度も強いが、余りにもしなやかすぎて、ラインがピンと張っていない状態では魚のアタリが全く感じられない。
・細いポリエステルラインを複数本編み込んで作られたラインなので、モノフィラメント(単一)素材であるナイロンラインに比べると、根擦れに弱い。
・ラインが軽く風の影響を受けやすいため、ライントラブルの発生率がナイロンラインに比べて高い。
・同じくラインが軽いため、ナイロンラインに比べると水へのなじみがあまり良くない。
・ただし、同じ号数のナイロンラインよりも軽くて細いため、仕掛けやルアーの飛距離は出る。
・リーダーを結ぶ必要があるため、ラインが切れた時のリカバリーが面倒くさい。
・ラインの価格が、他の種類のラインに比べて非常に高価である。
PEラインが一番活躍できる場面は、
1)船釣りなどで真下に仕掛けを落としている時
2)投げ釣りやルアー釣りなどで、遠方に仕掛けやルアーを飛ばして、ラインを常にピンと張った状態で釣りをする時
のおおむね2パターンが考えられます。
この場合、いずれも「ラインがピンと真っすぐに張った状態にある」ので、この状態を保つことが出来れば、ラインの伸び率がほとんどないことも相まって、魚のアタリをはっきりと感じ取ることが出来ます。
逆に言えば、ウキ釣りなどでPEラインを使用した時には、たるんだラインは海面を這っているだけで、なまじラインがしなやかすぎるために魚のアタリがあっても、手元には何の感触も感じ取ることができません。
一方、ウキ釣りの場合では多少の糸ふけ(ラインのたるみ)を持たせることで、魚のエサに対する食い込みを良くすることもありますので、多少ラインのたるみを残した状態で釣りをすると、目でウキの動きを追いつつ即座にラインの糸ふけを巻き取って合わせをいれるという、非常に慌ただしい釣りになってしまいます。
次に、根擦れに弱い部分については、PEラインは非常に細いポリエチレンのラインの束を、4本~12本ぐらいの本数で編み込んで作られているラインなので、岩などにラインが擦れて傷がつくと、そこからバラバラっと細いポリエチレンのラインが次々切れていき、本来のライン強度を維持することが難しくなります。また、ロッドガイドにラインが擦れ続けることによっても、PEラインはだんだんと毛羽立ってくる(=編み込まれた細いポリエチレンラインが切れてくる)ことがありますね。
その点、ナイロンラインは単一素材の一本のラインなので、その表面に少々傷がつこうが、一定の太ささえ維持していれば、ある程度のライン強度を保つことが可能です。
そのほか、PEラインに比べるとナイロンラインの方が比重が重いため、水に浮きやすいPEラインよりもナイロンラインの方が、水によく馴染みます。
また、PEラインだと、先に結んであるリーダー部分を除けば比較的水に浮きやすい(水よりも比重が軽い)ラインであるため、ずっとリールを巻き続けるなどしてラインをピンと張った状態を保たない限り、魚のアタリがあった時にフッキングを入れてもワンテンポずれてしまいやすいです。
そして、ラインが軽いが故に、風にあおられた時にラインがこんがらがりやすく、
下手をすると、こんな感じでラインがこんがらがることがあります。
こうなってしまうと、ラインをほどいて元に戻すのには非常に手間と時間がかかります。(笑)
エステルラインと比較した場合
僕自身がエステルラインを使用したことがないため、偉そうなことは言えないのですが、僕が聞いている限りではエステルラインの特徴として「伸び率が非常に低い分、瞬間的な衝撃が加わった時に切れやすい」というものがあります。
リールのドラグ設定をきちんとしてある(合わせによる瞬間的な衝撃を、ドラグを効かせることで吸収させる)、合わせを入れる時の力加減を経験上理解していることなどが、エステルラインを使いこなす上での必要条件なんじゃないかと思うのですが…初心者からしたら、結構ハードルが高い条件だったりしますよね。(笑)
結論:ナイロンラインの「中途半端さ」が、結果的には広い守備範囲をカバーしてくれる
様々な種類のラインを使いこなすためには、それぞれのライン素材の特性を理解した上で「適材適所」を図る必要がありますが、ナイロンラインの良い意味での「中途半端さ」が、結果的には初心者からベテランまで幅の広い「懐の広さ」を持っているように思ったりします。
そもそも昔の釣り人達は、フロロカーボンラインやらPEラインやらが普及する前からナイロンラインで釣りを続けてきたのですし、他の種類のラインと比較した場合のナイロンラインの長所としては、
・フロロカーボンラインほどではないが、PEラインよりは水に馴染みやすい。
・他の素材のラインに比べると伸び率が高いと言われているが、両手で力を込めてラインを引っ張るなどしない限りは、そうそうラインが伸びるようなことがない。
・フロロカーボンラインよりもしなやかで、PEラインよりも風の影響に対して強いため、ライントラブルを発生させにくい。
・モノフィラメント素材で、PEラインよりはもちろんのこと、フロロカーボンラインと比較しても根擦れに強い。
・同じ号数(引っ張り強度)で比較した場合、PEラインよりは太いけれども、フロロカーボンラインよりは細い(=フロロカーボンラインよりもより多くのラインをスプールに巻くことが出来て、同じ号数で比較するとライン捌きもしやすい)。
・PEラインのように、ラインが切れた時にいちいちリーダーを結び直さなくても良い。
・何よりも価格が安い。他のラインと比べて吸水率が高く痛みやすくても、ガンガンラインを交換していける。(笑)
といったものが挙げられます。
これらのことから考えると、僕のようなズボラな釣り人からすれば「他の種類のラインに比べると手が掛かりにくくて、尖った性能はないけれどもオールラウンドに使える」ナイロンラインというものは、案外重宝しているのです。
なお、ナイロンラインは他のラインに比べると、吸水率が高めで痛みやすいなどとも言われていますが、現状においては数年単位で同じナイロンラインを使い続けていても、釣りの最中にラインが切れて魚をバラしたといった経験は、今のところ皆無です。
また、ライン切れによるバラシを少なくするためには、ドラグの設定を適切に行うのはもちろんのこと、エサ釣りの時には道糸よりもハリスの方を細くすることによって、ラインが切れた時でも最悪ハリスよりも先だけが切れるようにする(=ウキなどの仕掛けのロスト率を低くする)といった対策を取るのも良いでしょう。
そして、僕のメインの釣りであるエサ釣りをしながら、海の状況次第ではルアー釣りやエギングに急きょ仕掛けを変更する時などでも、ナイロンラインであればそこそこ柔軟な対応が出来たりするので、結果的に現在の僕の中では、ナイロンラインの使用頻度が一番高いという結果になっています。
「今日は巻きのルアー釣りorキスの投げ釣りしかしないんだ」とか「今日の釣りは船釣りだ」とかいった日には、PEライン一択の選択肢になったり、「アジやメバルを狙ったライトゲームだけ」といった日には、フロロカーボンラインの出番があったりするんですけれどね。
という訳で、まだ海釣りを始めたばかりのアングラーの方はもちろんのこと、ある程度の経験や知識を得られた中級以上の腕前を持たれるアングラーの方でも、ナイロンラインの特性を理解し上手く使いこなすことで、様々な釣りにおける守備範囲を広くすることが出来るかも知れませんよ、といったお話でした。
次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。
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僕が初めて使ったナイロンラインは、こちらになります。
釣具屋さんで特価品で売られていたものでしたが、非常に使いやすいものでした。初めて釣りをされる方であれば、リールに付属の3号ナイロンライン辺りから始められると良いですが、ライン捌きに慣れてくれば、2号ラインに替えることで釣りのしやすさが変わってくると思います。
入手のしやすさやコストパフォーマンスから考えれば、ダイワの「ジャストロン」なんかも良いですね。
カラーも6色(クリアー、ブルー、ピンク、イエロー、ブラック、4カラーズ)から選べますので、お好みに合わせたチョイスが出来ますよ。